前回は「不動産管理会社」を作ることで相続の際、退職金という新たな経費を計上できるというメリットについて解説しました。
今回は、不動産管理会社を設立することで、建物を未収金に変えて、毎年贈与できるようになるメリットについて解説します。
相続対策の難易度は財産のうちに占める不動産割合に比例します。不動産は分割が難しい財産なので、現預金のように毎年コツコツ贈与していくといった相続対策が使えないからです。
そこで、将来相続税の課税対象になる建物を設立した不動産管理会社に売却したらどうでしょう。
建物という相続対策が難しかった不動産が「売却代金」という流動資産に変わり、一気に相続対策がやりやすくなります。
ここでよく「売却代金は銀行で借入してでも払わないとダメ」と勘違いされている方がいらっしゃいますが、そんなことはありません。
個人からすると「いつか返してね」
法人からすると「いつか返すね」という未収・未払いの関係でOKです。
お金のやりとりは必ずしも必要なく、個人は「未収金」のまま次世代に贈与していくことができます。
このように、法人を設立することで建物(石)を未収金(砂)に変え、砂時計のように毎年さらさらと非課税もしくは低い税率で贈与していくことが可能になります。
これまで3回にわけて不動産管理会社を設立するメリットについて解説してきましたが、次回は法人設立の費用などについて具体的に解説したいと思います。