「この歳で借金して相続対策なんて…?」
先日、80歳を過ぎたお母さんがおっしゃっていました。よく聞くセリフです。
お気持ちはわかります。場合によっては億単位の借り入れを高齢になってするというのは心理的に抵抗があって当然です。
「先生、いつごろから相続対策をすればいいのでしょうか?」
これもよく聞くセリフです。
相続対策には適齢期があるのでしょうか…?実はあります!
現預金の生前贈与のように毎年コツコツすることで効果が出る対策は、若ければ若いほうがいいといえます。逆に言うと相続直前の駆け込み対策としては不向きです。
一方、借り入れをして収益物件を建築するといった対策は相続がある程度近いと思われる年齢が理想です。
なぜなら、借り入れをして収益物件を建築する対策は借り入れを債務控除できるから節税になるわけで、借り入れが生前中に完済されてしまっては意味がないからです。
一方、親が入院したり、認知症が進行し始めたりしてから、焦って相続対策をされる方もたくさんいらっしゃいます。
しかし、それにはリスクがあります。親の生前中や意思判断ができる間に建物の完成引き渡しまで行われていないと相続対策としての効果がほとんどないからです。
ですから、借り入れをして収益物件を建築する対策は相続の数年前が効果的といえます。
もちろん相続がいつ起こるかなんて誰にもわかりませんので、“一般論でいうと”男性なら75歳、女性なら82歳くらいまでが適齢期といえるかもしれません。
次回は「年末までに知っておきたい税制優遇」について解説します。